秋ダイビング(9-11月)の透明度実力:地域によって天国と地獄の差がある
2026-03-11
2026年3月11日 · 11スポット・実測データ分析
秋のダイビングは「同じ日本」でも全然違う
「秋はダイビングに向かない」という声がある一方、「秋こそ最高」という声も多い。実はどちらも正しく、どちらも間違っている。答えはシンプルで、秋の透明度は地域によってまったく異なる傾向を示す。沖縄では9月が年間ピーク(与那国27.3m)だが、日本海の田後では10月に年間最低値6.4mを記録する。11スポットのデータで秋ダイビングの実力を検証する。
地域別・秋の傾向
沖縄(与那国)
秋が年間ピーク
9月27.3mで年間最高値。外洋水+台風後の清澄化で透明度急上昇
伊豆半島
秋〜冬にかけて改善
IOPは9→11月に+2m改善。富戸・伊戸も右肩上がり。12月に向けてさらに改善
日本海側
秋が最悪期(10月)
越前・青海島・田後は10月に年間最低値。秋の台風+偏西風で濁りが強まる
スポット別・8〜12月の透明度推移
| スポット | 地域 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 傾向 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 与那国 | 沖縄 | 26.5m | 27.3m | 26.8m | 24.4m | 23.4m | ★秋がピーク |
| 慶良間 | 沖縄 | 20.9m | 19.8m | 19.2m | 19m | 18.5m | ↘悪化傾向 |
| 伊豆海洋公園 | 静岡 | 12.3m | 12.7m | 13.7m | 14.7m | 17.3m | ↗改善傾向 |
| 富戸 | 静岡 | 10.1m | 10.7m | 11.3m | 12.5m | 15m | ↗改善傾向 |
| 神子元 | 静岡 | 12.7m | 13.2m | 12.9m | 12.5m | 13.7m | →安定 |
| 伊戸 | 千葉 | 15m | 14.7m | 15.8m | 15m | 18.7m | ↗改善傾向 |
| 柏島 | 高知 | 13m | 13.9m | 12.6m | 14.1m | 16.3m | ↗改善傾向 |
| 串本 | 和歌山 | 12.7m | 11.5m | 12.9m | 11.6m | 13.1m | →安定 |
| 越前 | 福井 | 10.3m | 10.3m | 8.7m | — | — | ↘悪化傾向 |
| 青海島 | 山口 | 10.6m | 8.4m | 7.5m | 8.5m | 9.3m | ↘悪化傾向 |
| 田後 | 鳥取 | 12.4m | 9.4m | 6.4m | 7.7m | 9.7m | ↘悪化傾向 |
沖縄:9月こそが年間最高の透明度
与那国の9月(27.3m)は年間最高値で、8月(26.5m)をさらに上回る。台風シーズンに沿岸に流入した外洋水と、台風通過後の海面清澄化が重なり、秋に透明度が最高潮に達する。慶良間は9月(19.8m)から11月(19.0m)にかけてわずかに低下するが、秋を通じて20m前後を維持する安定したエリアだ。ウミガメの産卵シーズン後もカメの遭遇率は高く、秋の沖縄ダイビングは多くの点で最高のタイミングと言える。
伊豆半島:秋〜冬に向けて右肩上がり
IOPの透明度は8月(12.3m)から11月(14.7m)まで月ごとに上昇し、12月(17.3m)でさらに跳ね上がる。富戸も同様に8月(10.1m)→12月(15.0m)と着実に改善する。これは夏の水温ピークが過ぎ、プランクトン量が減少するためだ。伊豆では秋に潜れば潜るほど透明度が良くなるという直感的でない法則が成立する。11月〜12月が伊豆のベストシーズン入りの時期だ。
日本海側:秋は逆に最悪期
田後(鳥取)の10月は6.4mと、年間で最も透明度が低い月だ。越前(福井)も10月(8.7m)、青海島(山口)も10月(7.5m)と、日本海の秋は「最悪」の時期だ。原因は複合的で、秋の台風接近による波と濁り、日本海固有の反時計回りの海流が沿岸に濁り水を集めることなどが考えられる。日本海側のスポットを秋に計画しているダイバーは要注意だ。
秋にダイビングするなら
秋ダイビングに向くエリア
- 与那国: 9月27.3m!年間最高値
- 慶良間・石垣島: 秋も19〜21m台を維持
- IOP・富戸: 10〜12月にかけて改善中
- 伊戸(千葉): 10月15.8mのピーク後、12月18.7m
秋に避けるべきエリア
- 田後(鳥取): 10月6.4m、年間最低
- 越前(福井): 10月8.7mに低下
- 青海島(山口): 9〜10月が最悪(7.5〜8.4m)
- ※日本海側全般は台風+偏西風で秋が最も悪い
まとめ
秋のダイビングを語るには「どこで潜るか」が前提条件だ。沖縄では秋(特に9月)が年間で最も透明度が高い。伊豆半島は秋が透明度の回復期で、11〜12月に向けて急速に改善する。日本海側は秋が年間最悪で、10月の透明度が信じられないほど低くなる。計画の際は地域別の秋の特性を必ず確認してほしい。
データ出典:各ダイビングサービスの公開ログをスクレイピング。月次平均値。