AI予測の精度ランキング:サイト別で見るAIの得意・不得意
2026-03-16
当サイトではLightGBMを使った機械学習モデルで透明度を予測していますが、その精度はサイトによって大きく異なります。伊豆海洋公園(IOP)ではR²=0.82と高精度な予測が可能な一方、与那国ではR²≈0.05とほぼ予測不能。なぜこのような差が生まれるのか、データから読み解きます。
0.82
最高R²(IOP)
0.00
最低R²(大瀬崎湾内)
0.824
グローバルモデルR²
45
特徴量数
R²(決定係数)とは?
R²は0〜1の値で、1に近いほど予測が正確。R²=0.82は「透明度の変動の82%をモデルが説明できる」ことを意味します。R²=0.05は「5%しか説明できない」=ほぼランダムと同等です。
サイト別AI予測精度ランキング
| # | サイト | R² | 評価 | モデル | 観測数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 伊豆海洋公園 | 0.820 | 優秀 | サイト別 | 3,151 |
| 2 | 甲浦 | 0.660 | 良好 | サイト別 | 580 |
| 3 | 白崎 | 0.603 | 良好 | グローバル | 420 |
| 4 | 平沢 | 0.594 | 良好 | グローバル | 2,696 |
| 5 | フトネ | 0.566 | 良好 | グローバル | 780 |
| 6 | 越前 | 0.455 | 普通 | サイト別 | 2,652 |
| 7 | 雲見 | 0.477 | 普通 | グローバル | 1,980 |
| 8 | 三宅島 | 0.434 | 普通 | サイト別 | 941 |
| 9 | 富戸 | 0.430 | 普通 | グローバル | 3,493 |
| 10 | 串本 | 0.426 | 普通 | グローバル | 3,168 |
| 11 | 慶良間 | 0.250 | 低精度 | グローバル | 1,533 |
| 12 | 石垣島 | 0.150 | 低精度 | グローバル | 1,473 |
| 13 | 与那国 | 0.050 | 予測困難 | グローバル | 4,826 |
| 14 | 大瀬崎湾内 | 0.001 | 予測困難 | グローバル | 1,200 |
R²はテストデータでの評価値。グローバルモデル=全サイト統合学習、サイト別=個別サイトで学習。
AIが得意なサイトの特徴
外洋に面している
IOPやフトネなど外洋に面したサイトは、気象・海象(波高、うねり、風向)が透明度に直接影響するため、気象データから予測しやすい。降雨→河川流入→濁りの因果関係が明確です。
季節パターンが明確
IOP(冬高・夏低)や越前(夏にピーク)など、月ごとの変動パターンが規則的なサイトはAIが学習しやすい。特徴量のmonth_sin/cosが有効に機能します。
AIが苦手なサイトの特徴
海流主導の透明度変化
与那国や石垣島は黒潮の流路変動で透明度が大きく変わりますが、黒潮の流路は気象データだけでは予測できません。海流データを特徴量に加えることが今後の課題です。
湾内・閉鎖的な地形
大瀬崎湾内はR²≈0.00。湾内は外海の影響を受けにくく、潮汐や微細な地形的要因が支配的。現在のモデルの特徴量では捉えきれない複雑なメカニズムが存在します。
年間を通じて安定した高透明度
与那国(年間平均24.5m)のように常に高透明度のサイトは、変動幅が小さく予測する「必要性」も低い反面、わずかな変動の予測が困難です。逆説的ですが、予測精度が低い=常にきれいな海、という場合もあります。
ダイバーへの実用的な示唆
AI予測が使えるサイト
IOP、平沢、白崎、甲浦など伊豆半島〜紀伊半島のサイト。天気予報と同じ感覚で、数日前に透明度の見通しを確認できます。
AI予測より現地情報が重要なサイト
与那国、石垣島、慶良間、大瀬崎湾内。これらのサイトでは、現地ショップの直近の報告やSNSの方が信頼性が高い。AI予測は参考程度に。
今後の精度改善に向けて
- 海流データ(黒潮流路・流速)の特徴量追加 → 与那国・石垣島の精度向上が期待
- 潮汐データの追加 → 湾内サイトの予測改善
- 衛星データ(クロロフィル、濁度)のリアルタイム活用 → 全サイトの底上げ
- データ蓄積の継続 → 観測数が増えるほどモデル精度は向上
データについて
R²はLightGBMモデルのテストデータ(時系列分割)での評価値。グローバルモデル(全サイト統合)のR²=0.824が基準。サイト別モデルはデータ数1,000件以上のサイトで学習。2026年3月時点の結果。