春濁りを避けるスポット選び:3〜5月の透明度を実測データで比較

2026-03-11

2026年3月11日 · 12スポット・実測データ分析

春濁りとは何か、なぜ起きるか

春濁り(はるにごり)とは、3〜5月の水温上昇に伴って植物プランクトンが爆発的に増殖し、海水の透明度が急激に低下する現象だ。プランクトンは水中の栄養塩と太陽光を利用して光合成を行うため、日照が長くなり水温が上がる春に最も増殖が活発になる。伊豆半島では冬(1月)の透明度が15〜18mあっても、4〜5月には9〜10mに急落するスポットが多い。12スポットのデータで「春濁りが出るスポット・出ないスポット」を比較する。

スポット分類:春濁り影響度

春濁りなし

冬の高透明度を春も維持。沖縄の外洋水に恵まれた地域。

  • 与那国 (1月22.4m→5月24.2m)
  • 慶良間 (1月18.1m→5月19.4m)
  • 石垣島 (1月20.9m→5月20.1m)
軽度(〜3m低下)

春に低下するが軽微。外洋水の影響が続くエリア。

  • 伊戸 (1月18.8m→5月15.9m)
中程度(3〜6m低下)

春に明確な濁りあり。5月には回復傾向が見えることも。

  • 串本 (1月13.8m→5月10.8m)
  • 柏島 (1月16.8m→5月11.5m)
  • 田後 (1月10.7m→5月8.7m)
  • 神子元 (1月13.6m→5月9.7m)
  • 平沢 (1月11.5m→5月8.2m)
深刻(6m以上低下)

冬との差が6m以上。伊豆半島の沿岸サイトが典型。

  • 伊豆海洋公園 (1月18.6m→5月10.6m)
  • 富戸 (1月15.6m→5月9.2m)
  • 雲見 (1月14.2m→5月8.8m)

1月〜6月の月別透明度一覧

スポット1月3月4月5月6月冬比低下
与那国22.4m23.5m23.9m24.2m24.4m±0
慶良間18.1m19m18.6m19.4m19.7m±0
石垣島20.9m21.9m21.2m20.1m20.1m-0.8m
伊戸18.8m16.4m14.8m15.9m15.7m-2.9m
串本13.8m10m10m10.8m12.2m-3.8m
柏島16.8m12m10.4m11.5m12.1m-6.4m
田後10.7m8.2m8.2m8.7m9.7m-2.5m
伊豆海洋公園18.6m13.7m10.1m10.6m11.3m-8.5m
富戸15.6m11.6m9.5m9.2m9.8m-6.4m
雲見14.2m10.8m10m8.8m9.2m-5.4m
神子元13.6m11.3m9.9m9.7m12.3m-3.9m
平沢11.5m9.4m8.4m8.2m8.2m-3.3m

「冬比低下」は1月と4月(最悪月)の差。赤色の列が春濁りのピーク期。

「春濁りなし」エリアの理由

与那国・慶良間・石垣島は春濁りの影響をほぼ受けない。理由は外洋水の直接的な影響だ。これらのスポットでは黒潮本流または南方の外洋水が沿岸に継続的に供給されるため、プランクトンの増殖に必要な「栄養塩の蓄積」が起きにくい。外洋水は栄養塩が少なく(貧栄養水)、春でもプランクトンが爆発的に増殖しない。

伊戸(千葉):例外的に春濁りが軽い沿岸スポット

千葉の伊戸は1月18.8m→4月14.8mと低下するが、5月には15.9mへと回復する。東京湾口に位置し、相模灘の外洋水が入りやすいことが軽度な春濁りの理由だ。4月に潜っても14.8mと合格点の透明度を維持するため、「関東近郊で春濁りを避けたい」場合に最善のスポットのひとつだ。

IOPの春は過酷:-8.5mの急落

伊豆海洋公園(IOP)は冬の透明度(1月18.6m)が最高だが、4月には10.1mへと8.5m急落する。この落差は12スポット中最大だ。5月も10.6mとほぼ横ばいで、本格的な回復は6月(11.3m)以降になる。「伊豆に春に行く」場合は、このリスクを十分に理解しておく必要がある。

3〜5月に潜るならどこへ行くべきか

おすすめ避けるべき
3月石垣島(21.9m)・与那国(23.5m)・慶良間(19.0m)・黄金崎(15.1m)越前(7.4m)・平沢(9.4m)・青海島(9.7m)
4月与那国(23.9m)・石垣島(21.2m)・慶良間(18.6m)・伊戸(14.8m)IOP(10.1m)・富戸(9.5m)・越前(7.6m)
5月与那国(24.2m)・慶良間(19.4m)・石垣島(20.1m)・伊戸(15.9m)富戸(9.2m)・平沢(8.2m)・雲見(8.8m)・越前(7.7m)

まとめ

春(3〜5月)のダイビングで透明度を確保したければ、答えは明確だ。沖縄(与那国・慶良間・石垣島)は春濁りの影響を受けず、むしろ20m以上の高透明度を維持する。関東圏ではそれに次ぐ選択肢として伊戸(千葉・15m前後)が有効だ。伊豆半島での春ダイビングは透明度の観点では推奨しにくいが、春ならではの生物(ウミウシ・ウミタナゴの群れ)目当てであれば透明度の低さを許容できるだろう。

データ出典:各ダイビングサービスの公開ログ。月次平均値(実測)。

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